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「契約書、なんとなくサイン」は卒業!損をしないための読み方と交渉の進め方セミナー|イベントレポート

7月1日(水)かごゆいテラス(鹿児島県庁18階)にて、ももち浜法律事務所の所属弁護士・菅本裕介さんを講師に招き、事業経営において欠かせない「契約書」の重要性と実務的な読み方・交渉方法についてのセミナーを開催しました。個人事業主や企業経営者を中心に約20名が参加し、契約トラブルの具体的事例や予防策について、わかりやすく実践的な内容を学びました。

イベント詳細

内容:「契約書、なんとなくサイン」は卒業!損をしないための読み方と交渉の進め方セミナー

日時:2026年7月1日(水)18:15〜20:00

会場:かごゆいテラス(鹿児島市鴨池新町10-1 鹿児島県庁 18階)

講師:ももち浜法律事務所 弁護士 菅本 裕介

当日の様子

⚪︎契約とは何か?契約書とは何か?

セミナーは、「契約」と「契約書」の違いを知るところからスタートしました。

実は、契約は口頭でも成立します。しかし、口約束だけでは、後から「言った・言わない」のトラブルになることもあります。

そこで重要になるのが契約書です。お互いが合意した内容を文字として残しておくことで、認識のズレやトラブルを防ぎやすくなります。

菅本さんからは、契約書は相手を疑うためにつくるものではなく、「お互いが安心して仕事を進めるためのもの」と説明がありました。

⚪︎実践的な契約交渉の進め方

続いて、PR動画の制作を依頼するケースを例に、契約交渉の具体的な進め方を学びました。

例えば、制作した動画の著作権を依頼者に渡すのか、それとも利用を認める形にするのか。支払いは先払いにするのか、納品後にするのか。途中で契約を終了する場合はどうするのか。実際の契約では、こうした条件を一つずつ確認しながら、内容を決めていきます。

契約書を修正するときは、Wordの「変更履歴」機能を使い、どこを変更したのかが分かるようにすることも大切です。さらに、変更した理由をメールやコメントで伝えることで、相手との話し合いをスムーズに進めやすくなります。また、契約内容の調整には、数週間から数か月かかることもあります。取引の開始直前になって慌てないよう、早めに確認を始めることが重要だと学びました。

⚪︎実際のトラブル事例から学ぶ契約リスク管理

セミナーでは、契約書を作らず、見積書だけで高額な取引を進めた企業の事例も紹介されました。

取引を進める中で、製品やサービスの性能、納期、品質について、依頼した側と提供する側の認識にズレが発生。しかし、その内容が契約書に書かれていなかったため、相手に改善を求めることが難しくなり、解決までに多くの時間と費用がかかってしまったそうです。

菅本さんからは、契約書は相手を疑うために作るものではなく、双方の認識をそろえ、トラブルを防ぐためのものだというお話がありました。特に、金額が大きい取引や長期間にわたる取引、案件ごとの特別な条件が多い場合は、仕事を始める前に契約書を作り、必要に応じて弁護士に確認してもらうことが大切です。

⚪︎契約書の読み方と重要項目の確認

契約書が届いたときは、まず次のような内容を確認します。

・金額や支払う時期、支払い方法
・どのような商品やサービスが提供されるのか
・いつまでに提供・納品されるのか
・問題が起きたときに、誰がどこまで責任を負うのか

確認するときのポイントは、内容が「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」と具体的に書かれているかどうかです。曖昧な表現を残してしまうと、後から認識の違いが生まれ、トラブルにつながる可能性があります。また、業種や取引の形によっては、フリーランス保護法などの法律が関係することもあります。

菅本さんからは、「読んでも意味が分からない部分がある状態は、自社にどのようなリスクがあるか把握できていない状態でもある」と説明がありました。分からない部分をそのままにせず、専門家へ相談することも大切です。「読んでわからない部分は、自社のリスク把握ができていない危険な状態。その場合こそ専門家に相談するべきサイン」とご説明いただきました。

⚪︎質疑応答での活発な意見交換

セミナー後半の質疑応答では、参加者から実際の仕事に関する質問が次々と寄せられました。

「複数の企業でプロジェクトを進める場合、責任はどのように分ければよいのか」「一度結んだ契約の内容を変更するときは、どのような手続きが必要なのか」「AIを使って契約書を確認することはできるのか」など、身近で具体的な質問について、菅本さんが事例を交えながら丁寧に回答しました。

中でも、共同プロジェクトの責任を「半分ずつ」とする場合については、単に「半々にする」と書くだけでは十分ではないとのこと。どの時点で発生した負担を対象にするのか、契約後に新たな負担が生じた場合はどうするのかなど、想定される場面を具体的に決めておく必要があると説明されました。

参加者それぞれが抱えている疑問を共有しながら、契約についてさらに理解を深める時間となりました。

参加者からは、「普段は契約書について考える機会がないので、良い機会になった」「質問への回答も分かりやすかった」「上級編も聞いてみたい」といった声が寄せられました。

契約書という少し難しく感じるテーマでしたが、終始なごやかな雰囲気の中で、実際の仕事に役立つ知識を学ぶ時間となりました。ご参加いただいた皆さま、そして講師を務めていただいた菅本さん、ありがとうございました。

かごゆいテラスでは、今後も事業や新しい挑戦に役立つセミナー・イベントを開催していきます。